【質問】
先日、父親が亡くなりました。私(長男)は預金と自宅を相続しますが、相続税申告は必要ですか?また、相続税はいくらかかりますか?
(前提条件)
被相続人:父
相続人 :長男
財産内容:預金 3,000万円、自宅 5,000万円 合計8,000万円
【回答】
被相続人(=亡くなった方)である父親が保有していた財産の評価合計額が、基礎控除額を超える場合は、相続税申告が必要です。相続税額は、財産の評価合計額のうち、基礎控除額を超える部分に対して、一定の税率を乗じて計算されます。
【解説】
このような質問は非常に多いです。相続を経験したほとんどの方が思う疑問ではないでしょうか。
相続税の申告義務は、被相続人の財産合計額が基礎控除額を超えるかで判定します。
判定までの流れは以下の通りです。
①法定相続人数の確認
②財産内容および評価額の確認
③生命保険金等の非課税枠の確認
④生前贈与の確認
⑤債務・葬式費用の確認
⑥基礎控除額の確認
⑦申告義務の要否判定
今回はシンプルな事例のため、申告義務の要否判定も難しくありません。
①法定相続人数は、長男一人のみ。②財産内容および評価額は、預金3,000万円および自宅5,000万円の合計8,000万円。③保険、④贈与、⑤債務などはないものとしましょう。
⑥の基礎控除額ですが、初めて聞く言葉だと思います。「この金額までなら相続税はかかりませんよ」という閾値だと思っていただければ大丈夫です。基礎控除額は以下の算式により計算します。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
本ケースの場合、法定相続人数は長男お一人なので、基礎控除額は3,600万円(=3,000万円+600万円×1人)となります。
最後に、⑦の申告義務の要否判定を行います。相続財産の合計額は8,000万円でしたね。基礎控除額3,600万円を超えておりますので、長男は相続税申告をする必要があるということになります。
では、相続税額はいくらなのか?については、また次回。
※本記事は、一般の方向けに基本的な税務の取り扱いを解説しております。例外もございますこと、ご容赦ください。